相殺ができない…②

AはBに100万円貸しています。弁済期は11月1日です。しかしBが弁済しなかったため、Aが腹いせにBを殴りケガをさせました。BはAに対して100万円の損害賠償請求権を持ち、12月1日から行使可能とします。この場合Aは自分が貸した100万円とBが持つ損害賠償請求の100万円を相殺することは可能でしょうか。
この場合、相殺することはできません。Bとしては、現金で支払ってもらわないと治療ができませんし、相殺を認めてしまうと不法行為を誘発してしまいます。しかし、Bからの相殺は可能です。

民法第509条

債務が不法行為によって生じたときは、その債務者は、相殺をもって債権者に対抗することはできない。