損害賠償の範囲は?
Aさんが、ある有名歌手のコンサートにいきました。事前にチケットは購入済みで、代金も支払っております。
Aさんが債権者、歌手が債務者です。ところが、歌手が当日寝坊してしまい、コンサート会場に来ません
でした。債務不履行ですね。この場合、先日解説しましたように、民法第415条に基づき損害賠償請求をすることが可能となります。Aさんが、歌手に対し損害賠償の請求できる範囲は、すでに支払ったチケット代となります。
しかし、Aさんが凄くその歌手のファンで、コンサートが中止になってショック死してしまった場合での、歌手が負う損害倍書の範囲はいかがでしょうか。それは、Aさんがコンサートの中止でショック死してしまうことを、歌手が予見していた、若しくは予見できたのであれば、死亡についても賠償責任が生じます。予見できない場合は、チケット代金のみの賠償となります。
民法第416条
【1項】
債務の不履行に対する損害賠償の請求は、これによって通常生ずべき損害の賠償をさせることをその目的とする。
【2項】
特別の事情によって生じた損害であっても、当事者がその事情を予見し、または予見することができたときは、債権者は、その賠償を請求することができる。